院長コラム
当院は2019年6月で、開院して満15年になりました。
これも多くの患者さん、多方面のみなさんのご支援のおかげと、感謝を申し上げます。
開院したのは2004年6月。
私が病院やクリニックでの勤務医時代に感じてきた思いを実践したい、それがきっかけでした。
開院数年後から『薬に頼らないうつ病治療』に取り組み始めました。
薬物療法が主流のメンタル医療の世界で、はじめは手探りでしたが、いろいろな事を考えながら進めました。
他科の研究会にも参加しました。
若い頃の脳外科医時代の経験も参考にしました。
それまで学んだカウンセリングの考え方を更に深めてみました。
他の分野の海外の方のご意見も参考にしました。
本を書いたり、翻訳したり、講演のご依頼をいただきお話ししたり、いろいろな角度から考えてきました。
禅宗の大本山円覚寺での講演など、この上ない機会も大変勉強になりました。
あれやこれや、試行錯誤しながら、ようやく最近になり形ができてきました。
「薬に頼らない」というと、世間では漢方であるとか、トラウマ除去とか、TMS磁気刺激とか、いろいろな事が言われます。
でも、私の考えは基本的にそれとはまったく違います。
「頼るものを薬から他の手段や治療法に変える」というのではありません。
ご自身のこころの健康をどう実現するか?それに総合的に取り組んでいただくにはどうしたらよいか、ということを考えてきました。
ですから、当院では高額な検査治療を行ったり、特殊なサプリメントを勧めることはしてきませんでした。
一方で、患者さん方には医療機関まかせではなく、ご自分の病気に主体的に取り組んでいただく事をお願いしています。
私みたいなことをしておりますと、「薬以外で治るわけない」「最新研究と違う」「根拠がない」とか言われます。
アマゾンの書評では「詐欺師」とまで書かれていますから、参考にご覧ください。
でも、私は自分が体験してきた事をありのままに、嘘いつわりなく皆さんにお伝えしているだけです。
もしみなさんが、いろいろな治療法や長期間の治療でも回復の実感がなかったり、再発にお困りでしたら、何かのお手伝いができるかもしれません。
医療というのは、何かのマニュアルや定式化された方法でゴールに到達できる、そういう世界ではないのです。