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院長コラム

私がメンタル美人を考えたきっかけ 
著書『これからはメンタル美人より』-12019年02月27日

メンタル美人という言葉は、初めて聞いたことでしょう。
見てお分かりのように「メンタル」と「美人」との組み合わせから生まれた言葉です。

美人といえば、きれいな女性、美しい女性、魅力的な女性、素敵な女性……という意味でしょう。着物美人とか、素肌美人などという表現もあります。
これはある特定の部分で魅力的な女性という意味でしょう。
これらの美人についての基準は、だいたい視覚的なものが中心で、その基準は多くの方に共通でわかりやすいものだと思います。

では、メンタル美人って何でしょう。メンタル、つまり心、精神、感情などという見えないものに関しての美人というのはどう考えたらよいのでしょうか?とてもわかりにくいですね。

でも一方で、日常でこんな経験はありませんか?
「言葉では表現しにくいけれども、何となく外見とは別にすごく魅力のある女性に街で出会った」とか、「ご高齢で白髪やシワが目立つ女性で『すごく素敵だな』と感じる女性に出会った」とか、そんなご経験をなさった方も少なくないでしょう。

私は大学を卒業してから今日までの間に、脳外科、救命救急、精神科、そして一時期は民間企業の管理職の仕事をしてきました。
その中で最も多くの時間を過ごしたのは精神科医としての毎日でした。

医師というのは、治療を通じてある期間、時に病気によっては長期間にわたり患者さんと接します。そしてその時間経過の中で、その方のさまざまな面と変化を目にします。
意気消沈なさっている姿、病気と懸命に戦っておられる姿、ご家族と談笑なさっている姿、すっかり回復なさり治療終了となったときの晴れやかな姿。
そのときそのときで、患者さんの印象は大きく変わります。

具合の悪い時は、顔や姿勢、服装にもそれが反映されます。そして、時間が過ぎてすっかり回復なさった頃には、お顔は晴れやかになり、肌つやもよく、姿勢と声に張りが戻り、服装も色鮮やかになってきます。本当にそれは、驚くばかりの変貌です。

このような変化を拝見し、私は新米医者の頃から心の中で、「メンタル美人におなりになった」とつぶやいていました。
私が病気の治療を通じて垣間見てきた、このような患者さんの変化は、健康な方が日頃感じている僅かなメンタルの不調を早めに回復する上できっと参考になるに違いないと考えました。

このコラムでは、私が診療を通じて経験した大勢の方々との出会いで感じてきた、メンタルな美しさを実現するための方法について、お話したいと思います。

中には、私の独断と偏見もあるかもしれません。もちろん学術的な根拠のないものもあります。でもこういうテーマは、人間の主観に関する部分が大きい分野です。それでも、何万人という患者さんとの出会いで、私が感じてきたこと、その中から多くの方に共通するものを、できるだけ客観的にお伝えしましょう。

「健全な精神は健全な身体に宿る」、「病気は気から」など、心と体が密接に関連していることをあらわすことわざや言い伝えは昔からたくさんありますよね。
本当の美を手にするためには、心と体の両方の側面からご自身を磨いていくことが大切でしょう。

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